採用率1%の人材より、再現率100%の仕組みを。中小企業を蝕む「属人化」という静かな病とその処方箋

あなたの会社は、「あの人」がいなくなったら、明日から事業が止まってしまいませんか?
「〇〇の案件は、Aさんしか分からない」
「このシステムのパスワードは、Bさんしか知らない」
「長年の勘でやっているから、Cさんにしかできない」
もし、あなたの会社でこんな言葉が飛び交っているとしたら。
それは非常に危険なサインです。
事業は一見、順調に回っているように見えるかもしれません。
しかしその実態は、特定の個人のスキルや経験という、非常に脆い土台の上に成り立っている砂上の楼閣とも言えます。
こんにちは。私は、企業のバックオフィス業務を仕組み化し、実行までを代行するサービスを提供している山田です。
元々はシステムエンジニアとして、多くのプロジェクトに携わってきました。
その経験から痛感しているのは、個人の能力に依存するプロジェクトがいかに危ういか、ということです。
今日は、多くの中小企業を静かに蝕む「属人化」という病の恐ろしさと、そこから脱却するための具体的な処方箋についてお話しします。
目次
あなたの会社は大丈夫?「属人化」が引き起こす、3つの経営リスク
「属人化」とは、特定の業務の進め方や進捗状況が担当者個人しか把握できていない状態を指します。
優秀な社員に仕事を任せている経営者ほど、このリスクに無自覚な場合があります。
しかし、その「デキるあの人」が突然いなくなったら、どうなるでしょうか?
1. 止まる事業:機会損失と信用の失墜
最も直接的なリスクは、事業が物理的にストップしてしまうことです。
担当者しかやり方を知らない業務は、その人が休んだり退職したりした瞬間に滞ります。
顧客への請求書が発行できない、商品の受発注が止まる、お客様からの問い合わせに誰も答えられない。
その結果、売上を上げる機会を失うだけでなく、顧客からの信用も一気に失墜しかねません。
2. 消えるノウハウ:品質の低下と引き継ぎコストの増大
担当者の頭の中にしか存在しないノウハウや顧客との信頼関係は、その人の退職と共に会社から失われます。
後任者はゼロから手探りで業務を覚えなければならず、サービスの品質は著しく低下するでしょう。
「Aさんの時は、言わなくてもやってくれたのに」
そんな顧客の不満が、静かな顧客離れにつながっていきます。
運良く引き継ぎ期間が設けられたとしても、ドキュメント化されていない業務の引き継ぎには、膨大な時間と労力がかかります。
3. 疲弊する組織:不公平感と離職の連鎖
属人化は、組織全体にも悪影響を及ぼします。
特定の担当者に業務が集中することで、その人の負担は増大し、疲弊していきます。
一方で、周りの社員は「あの人の仕事は手伝えない」と距離を置くようになり、組織内に見えない壁が生まれます。
この不公平感は、社員のモチベーションを低下させ、最悪の場合、優秀な社員の離職につながります。
そしてそれに続く負の連鎖を引き起こす原因にもなるのです。
なぜ、わかっていても「属人化」から抜け出せないのか?
これほどのリスクがありながら、なぜ多くの中小企業は属人化から抜け出せないのでしょうか?
それは、多くの経営者が「仕組み化」をコストや手間だと考え、後回しにしてしまうからです。
目の前の業務を回すために、「優秀なAさんに任せておけば安心だ」と考えてしまう。
これは、短期的に見れば最も楽な選択です。
しかし、長期的に見れば、会社の未来を一個人に依存させるという、最も危険な経営判断に他なりません。
事業を拡大し、継続させていくためには、この「人に依存する経営」から、「仕組みに依存する経営」へと、発想を転換させなければなりません。
【元SEが解説】再現率100%の「仕組み」を作る、たった1つのシンプルな原則
では、どうすれば属人化から脱却し、再現性の高い「仕組み」を構築できるのでしょうか。
システムエンジニアの視点から言えば、原則はたったひとつです。
それは、業務の主語を「人」から「プロセス」に変えることです。
「Aさんが、請求書を作る」のではありません。 「『請求書発行プロセス』に従って、担当者が作業を行う」のです。
この状態を実現するために不可欠なのが、業務マニュアルの存在です。
私が理想とするのは、「マクドナルドのマニュアルレベル」のものです。
高校生のアルバイトでも、初日から同じ品質のポテトを揚げられる。
あれこそが、属人化を排除した「仕組み」の究極形です。
あなたの会社の業務も、ひとつひとつ手順を言語化し、誰が読んでも同じように作業ができるレベルのマニュアルに落とし込む。
この地道な作業こそが会社を個人の能力から解放し、盤石な経営基盤を築くための唯一の道なのです。
「仕組み化」は、経営者にしかできない最も重要な仕事です
日々の雑務に追われ、時間が足りないと感じている経営者の方も多いでしょう。
「マニュアルを作る時間なんてない」と思われるかもしれません。
ですが、断言します。
会社の業務を「仕組み化」することは、経営者にしかできない、最も重要な仕事です。
採用率1パーセントのスーパーマンを探し続けることにリソースを割くよりも、今いるスタッフが誰でも100パーセントの結果を出せる「仕組み」を作ることに投資する。
これこそが、事業を継続的に成長させるための、最も賢明な戦略ではないでしょうか。
まずはあなたの会社で「あの人しかできない業務」が何なのかを、ひとつひとつ洗い出すことから始めてみてください。
これが「属人化」という静かな病からあなたの会社を救う、はじめの一歩になるはずです。
もしも洗い出した業務をマニュアルに落とし込み、それを実行するリソースが社内に足りないのであれば、私たちのような外部の専門家を頼るという選択肢もあります。
面倒な雑務は「仕組み」に任せ、あなたはあなたにしかできない、未来を創る仕事に集中してください。
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