コストゼロから始める本物のDX。「業務の標準化」3つのステップと危険な兆候【高額ツールは不要】

「DX」「AI導入」「RPAで業務を自動化」
ここ数年、こうした言葉を耳にしない日はない、と言っても過言ではありません。

もしかしたら、あなたも「うちの会社も、そろそろ何か手を打たなければ」と、少し焦りを感じているのではないでしょうか?

ですが、高価なツールやシステムの導入を検討する前に、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいことがあります。

アージュスタイル・代表である私は、元システムエンジニアという少し変わった経歴の持ち主です。
企業で6年間システム開発を経験した後、結婚や出産によるブランク、フリーランスとしての活動を経て現在の事業を立ち上げました。
その経験から断言できるのは、「ツール導入に失敗する企業には、たったひとつの共通点がある」ということです。

混沌とした業務に高価なツールを導入するのは、地盤の緩い土地に、最新設備の豪邸を建てるようなものです。
見た目は立派でも、すぐに傾いて住めなくなってしまいます。
まずやるべきは、頑丈な基礎工事、つまり「業務の標準化」なのです。

今回は、あなたの会社が今すぐその「基礎工事」に取り組むべき3つの危険なサインについてお話しします。

なぜ多くの企業がDXツール導入に失敗するのか?元SEが見た「共通の落とし穴」

システム開発の世界では、「要件定義がプロジェクトの成否を9割決める」と言われています。

この要件定義は、先ほどの家づくりで言えば「設計図」にあたります。
「どんな機能が必要で、どう動くべきか」を細部まで定義する、最も重要な工程です。

この設計図が曖昧なまま家を建て始めるとどうなるか…
想像がつきますよね。

実は、社内の業務効率化もこれと全く同じです。

多くの企業が犯してしまう過ちは、自社の業務プロセスという「設計図」が曖昧なまま、RPAやAIといった「最新の建材(ツール)」を買い込んでしまうことです。

その結果、
「導入したはいいが、どの業務を自動化すればいいか分からない」
「現場のやり方とツールが合わず、結局誰も使わなくなった」
「一部の業務は自動化できたが、会社全体として見ると大して楽になっていない」
といった事態に陥ってしまうのです。

高価なツールは、魔法の杖ではありません。
あくまで、業務を効率化するための「道具」です。
整理され、標準化された業務プロセスという「頑丈な基礎」があって初めて、その真価を発揮するのです。

要注意!「業務の標準化」が必要な3つのサイン

では、あなたの会社は大丈夫でしょうか?

もし、これからお話しする3つのサインにひとつでも思い当たる節があれば、ツールの導入を急ぐのは危険信号です。

サイン1:特定の人しかできない「属人化」した業務がある

「この仕事は、経理の〇〇さんじゃないと分からない」
「営業事務の△△さんが休むと、請求書が出せなくて困る」

あなたの会社では、こんな会話が日常的に交わされていないでしょうか?

特定の個人のスキルや経験に依存した「属人化」した業務があるのは、業務が標準化されていない最も分かりやすいサインです。この状態を放置すると、担当者が退職したり病気で休んだりした途端に、業務がストップしてしまいます。

そもそも、このような状態では、「何を」「どう」自動化させればいいのか?
指示することすらできません。

サイン2:「あの件、どうなってる?」が口癖になっている

社長や管理職の方が、現場のスタッフに「あの件、どうなってる?」と頻繁に進捗確認をしなければならない。
これもまた、危険なサインのひとつです。

これは業務の進め方が個人の裁量に任されており、「誰が」「いつ」「何をすべきか」というルールが明確になっていない証拠です。

報告のフォーマットがバラバラだったり、そもそも報告のタイミングが決まっていなかったり。
これでは管理する側もされる側も大きなストレスを抱えることになりますし、業務のボトルネックがどこにあるのかも見えません。

サイン3:新しいツールを導入しても、結局使われなくなる

過去にチャットツールやタスク管理ツールなどを導入したものの、一部の社員しか使わず、いつの間にか誰も触れなくなってしまった。
という経験はありませんか?

これは、新しいツールを導入する際に「なぜ、このツールを使うのか」「どのように使うのか」という目的やルールが共有されていないことが原因です。

業務のやり方が標準化されていない状態で新しいツールを入れても、現場は混乱するだけ。
「今まで通り、口頭で伝えた方が早い」となってしまうのは、当然の結果と言えるでしょう。

「業務の標準化」とは、具体的に何をすること?

「うちの会社、全部当てはまるかもしれない」と不安になった方も、ご安心ください!
業務の標準化は、決して難しいことではありません。

以下の3つのステップで、誰でも始めることができます。

STEP1:業務の棚卸しと可視化

まずは、社内にどんな業務が存在するのかを全て洗い出す「業務の棚卸し」から始めます。
経理、総務、営業事務など、部署ごとに行うとスムーズです。

そして、洗い出した業務のひとつひとつについて、「誰が」「いつ」「何を使って」「どのような手順で」行っているのかを「可視化」していきます。

STEP2:無駄な業務の廃止・統合

業務が可視化されると、
「この報告書、誰も見ていないのでは?」
「この作業とあの作業は、まとめてできないか?」
といった無駄・重複・無理が見えてきます。

これらを大胆に
「やめる」「まとめる」「やり方を変える」
ことで、業務プロセスをスリムにしていきます。

これだけでも、会社の生産性は大きく向上するはずです。

STEP3:業務プロセスのマニュアル化

最後に、整理された業務プロセスを誰が見ても分かるように「マニュアル」に落とし込みます。
これが、業務の標準化のゴールです。

「マクドナルドのマニュアル」をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
誰がやっても同じ品質の結果を出せる状態。
これが理想です。

このマニュアルがあって初めて、「このマニュアルの、この部分を自動化しよう」という、的確なツール導入が可能になるのです。

まとめ:高価なツールは、後からでも遅くない

ここまでお話ししてきたように、DXや業務効率化の本当の第一歩は、高価なAIやRPAという「最新の建材」を買い揃えることではありません。

まず、自社の業務プロセスという「土地」をしっかりと見つめ直し、「基礎工事」を行うこと
つまり、業務を標準化することです。

一見、地味で遠回りに見えるかもしれませんが、これこそが、あなたの会社という「家」を本当に強くする、最も確実で効果的な一手です。

業務の標準化が進めば、

  • 業務の属人化がなくなり、組織が安定する
  • 無駄な作業がなくなり、社員が本来やるべき仕事に集中できる
  • どこを自動化すべきかが明確になり、ツール導入の効果を最大化できる

といった、数多くのメリットが生まれます。

もし、あなたが日々の雑務に追われ、「本来、やるべき事業拡大のための活動に時間を使えない」と悩んでいるのでしたら、ぜひ「業務の標準化」から始めてみてください。

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