【工務店様・導入事例】請求漏れと機会損失はもう止めませんか?バックオフィス改革で粗利率を3%改善した全プロセス

多くの工務店経営者が「職人が足りない」「利益率が低い」という、深刻な悩みを抱えているのではないでしょうか。
現場の技術力や営業力には自信があっても、なぜか会社の利益が思うように伸びない。
その原因は、もしかしたら現場ではなく「事務所」の中にあるのかもしれません。

この記事は、「事務作業が楽になりました」といった、ありふれた感想で終わる導入事例ではありません。

元システムエンジニアである私の目から見ると、多くの工務店のバックオフィスは、長年の継ぎはぎで複雑化した「レガシーシステム」と化しています。
この記事では、そのシステムをいかにしてリファクタリング(再設計)し、利益を生む仕組みに書き換えるか、その具体的な手法を解説します。

「人が足りない」のではなく「仕組みが壊れていた」。A社が抱えていた静かな時限爆弾

今回ご登場いただくのは、地域に根差して20年、質の高い施工で評価を得ている工務店A社様です。
社長ご自身も元職人であり、現場の采配や顧客からの信頼は絶大でした。
しかし、その裏側で事務所の中は、静かな混乱状態に陥っていました。

工務店・A社様の抱えていた課題

  1. ベテラン事務員の退職と業務のブラックボックス化
    長年、ひとりで事務全般を担ってきたベテラン社員が退職
    見積もり作成から請求書発行、入金管理まで、すべての業務がその方の頭の中にしかなく、引き継ぎは困難を極めました。
  2. 見積もり作成の属人化と機会損失
    複雑な原価計算を伴う見積もり作成は社長か一部のベテラン職人しかできず、対応の遅れからいくつかの案件を失注していました。
  3. 請求漏れや入金確認の遅延
    現場作業と事務作業の兼務により、追加工事分の請求が漏れたり、入金確認が遅れたりといったミスが頻発
    キャッシュフローの悪化を招くだけでなく、顧客からの信頼を損なう一因にもなっていました。

「誰か、いい事務員さんはいないだろうか」

社長はそう嘆いていましたが、業種を問わず「これは他人事ではない」と感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。

私がSE時代に学んだこと。業務改善は「人の頑張り」ではなく「システムの再設計」から始まる

A社の社長からご相談を受けたとき、私はシステムエンジニアとして販売管理システムを開発していた頃のことを思い出していました。
業務が混乱する本当の原因は、ほとんどの場合「人の能力」ではなく「業務フローという名のシステム」の設計不備にあります

継ぎはぎだらけで動いている古いプログラムに優秀なプログラマーをひとり追加しても、根本的な問題は解決しません。
本当に必要なのは、現状のプロセスを一度すべて可視化し、無駄をなくし、誰がやっても同じ結果を出せるように「システムを再設計」することです。

そこで私はA社様に、こうご提案しました。

「優秀な事務員を探すのは一旦やめましょう。その代わりに、まず御社の事務業務の『完璧なマニュアル』を作ってください。私たちは『お手伝いさん』ではありません。そのマニュアル通りに寸分違わず業務を遂行する、御社の『業務実行システム』になるのです」と。

これが、私たちの事務代行サービスの根幹をなす「マニュアルファースト」という考え方です。

A社様だけでなく、私たちがサポートする企業の平均契約継続年数は2.7年に及びます。
これは、一過性の「お手伝い」ではなく、継続的な「事業パートナー」として信頼いただいている証です。

それでは、A社様がどのように変わったのか、その具体的なプロセスを見ていきましょう。

【導入レポート】工務店A社・バックオフィス改革の全プロセス

最初は戸惑っていた社長もこの「システム化」という考え方に共感してくださり、改革がスタートしました。

Phase 1: 課題の可視化(業務の棚卸し)

まず、社長と現場の職人さんに協力いただき、「事務所で発生するすべての作業」を書き出していただきました。

発生していた事務処理

  • 問い合わせ対応
  • 見積書作成
  • 発注業務
  • 請求書作成・送付
  • 入金確認
  • 経費精算、など

当初は「雑務」と一括りにされていた業務が、いかに多岐にわたり、複雑に絡み合っているかが明らかになりました。

Phase 2: プロセス定義(クライアントによるマニュアル作成)

次に、書き出した業務のひとつひとつについて、「誰が」「いつ」「何を使って」「どのように」行っているのかを、A社様ご自身の手で文書化していただきました。

特に時間をかけたのが、ボトルネックとなっていた「見積書作成」と「請求書発行」のプロセスです。
過去のデータやベテラン職人の知見をもとに、原価計算のルール、書式の統一、ダブルチェックの手順などを盛り込んだ、誰が見ても同じように作業できる詳細なマニュアルが完成しました。

この「マニュアルを作る」というプロセスこそが、事務代行サービスを活用するための本質だと私は考えています。
外部の人間があれこれ口を出すより、自分たちで業務を見つめ直すことで、初めて本当の課題が見えてくるのです。

Phase 3: システム実行(弊社による業務遂行)

完成したマニュアルに基づき、弊社の担当スタッフが業務を開始しました。

私たちの役割は、そこに書かれていることを「忠実に、正確に、実行する」こと。
余計な提案や先回りはしません。
決められたルール通りにシステムを動かすことに徹します。

これにより、社長や職人さんたちは、これまで煩わしい思いをしながらこなしていた事務作業から完全に解放されました。

Phase 4: 定量的な結果

導入から半年後、A社には劇的な変化が訪れました。

項目導入前(Before)導入後(After)
社長・職長の月間事務作業時間約40時間約5時間(レビュー・承認のみ)
見積書提出までの平均日数3〜5営業日1〜2営業日
請求漏れ・計算ミス発生率月に2〜3件0件
粗利率平均18%平均21%

「肩の荷が下りた」というレベルではありません。
会社の利益構造そのものが、明らかに改善されたのです。

なぜA社様は粗利率を改善できたのか?「マニュアル化」がもたらした3つの本当の価値

事務処理に使う作業時間が減ったのは、当然の結果です。
しかし、なぜ粗利率まで改善したのでしょうか?
それは、「マニュアル化」が単なる業務手順書に留まらない、3つの本質的な価値をもたらしたからです。

属人化の解消による「標準コスト」の確定

これまで個人の経験と勘に頼っていた見積もりが標準化されたことで、案件ごとの正確な原価を把握できるようになりました。
これにより、不採算案件の受注を防ぎ、適切な価格設定が可能になったのです。

ボトルネックの特定による「機会損失」の撲滅

マニュアルを作る過程で、いかに見積もり提出の遅れが機会損失に繋がっていたかが明確になりました。
迅速な対応が可能になったことで、これまで取りこぼしていた案件を獲得できるようになったのです。

経営判断の迅速化による「戦略的時間」の創出

請求漏れがなくなり、入金サイクルが正常化したことで、キャッシュフローが安定。
社長様は日々の資金繰りの心配から解放されました。
そして、事務作業に奪われていた時間を、新規顧客の開拓や、より付-価値の高い提案活動といった「経営者が本来やるべき仕事」に集中できるようになったのです。

あなたの会社のバックオフィスは「コストセンター」ですか?それとも「プロフィットセンター」ですか?

今回のA社様の事例は、事務代行サービスが単なるコスト削減や業務効率化のためのツールではないことを証明しています。
正しく設計され、正しく運用されたバックオフィスは、利益を生み出す「プロフィットセンター」になり得るのです。

重要なのは、「どこに頼むか」の前に、「何を、どのように頼むか」を自社で定義すること
つまり、業務の「マニュアル化」です。
それこそが、アウトソーシングを成功に導き、あなたの会社に眠る「隠れた利益」を掘り起こす、最初の、そして最も重要な一歩なのです。

私たちのサービスは、クライアントにご準備いただいた「マニュアル」という設計図を、寸分違わず実行するための信頼できるパートナーです。
あなたの会社のバックオフィスという名の「ソースコード」は、今、どのような状態でしょうか?
それらを読み解き、最適化するお手伝いを私たちにさせてください。

細かい雑務に毎日のように時間を取られているのでしたら、ぜひとも一度お問い合わせください。
あなたが本来やるべきことに集中できる環境を手に入れ、会社の利益構造を変革するお手伝いをいたします。

事務代行導入の無料ご相談・お問い合わせはこちらから

契約時間数以内なら、使い放題の事務代行

1ヶ月あたりの契約時間数は15時間、30時間、60時間の3コース。
あなたの「今、これをやってほしい」に対応いたします。
経営者様や数多くのサラリーマンの方に、ご利用いただいています!

事務代行導入の無料ご相談は、お気軽にどうぞ。
2営業日以内にご連絡します。
Tel : 050-3570-2999
受付時間 10:00 - 17:00 [ 土・日・祝日除く ]