【元SEが断言】そのDX、100%失敗します。ツール導入前に「絶対に」やるべき、たったひとつのこと

「最新のDXツールを導入すれば、ウチの会社も変われるはずだ!」

そんな大きな期待を胸に高額なITツールを導入したものの、現場はかえって混乱し、以前よりも生産性が落ちてしまった。
パソコンの前で頭を抱える経営者の方の姿が目に浮かぶようです。

こんにちは。元システムエンジニアで、これまで35社以上のDX導入に失敗した中小企業を見てきた、代表の山田です。

DX化における多くの失敗は、家を建てる時に「設計図」を描ずに、いきなり最新の建材(DXツール)を買い集めてしまうことから始まっています。

多くの方が「導入したツールが悪かった」「ウチの社員が使いこなせないのが問題だ」とおっしゃいます。
ですが、断言します。
その失敗の根本原因は、ツールや人にあるのではありません。

この記事では、多くの経営者が見落としているDXの「本当の第一歩」、つまり会社の「設計図」である業務プロセスの見直し方について、元SEの視点から徹底的に解説します。
もしあなたが「ツールを導入したのに、なぜか上手くいかない」と感じているなら、この記事を読めば、その理由と次に何をすべきかが明確になるはずです。

なぜ高価なDXツールは「宝の持ち腐れ」になるのか?

システムエンジニアとして販売管理システムの開発に携わっていた頃にあった、忘れられない経験があります。
あるお客様に、最新鋭の高機能なシステムを納品した時がありました。
しかし、数ヶ月経っても「業務が楽にならない」というクレームが続きます。

その原因を調査しに現場へ伺った時、私は愕然としました。
社内の請求書発行のルールは担当者ごとにバラバラ、在庫管理のフローも曖昧で、そもそも業務プロセスそのものが「ぐちゃぐちゃ」の状態だったのです。

これは、ひどく散らかった部屋に最新の全自動お掃除ロボットを導入するようなものです。
床にモノが散乱していては、どんなに高性能なロボットもその能力を発揮できずにただ立ち往生するだけですよね。

DXツールも全く同じです。
整理されていない業務プロセスという土台の上にどんなに素晴らしいツールを導入しても、決して上手く機能しません。
むしろ、既存の混乱を助長し、現場の負担を増やすだけの結果に終わってしまうのです。

DXの本当の第一歩。「システム思考」で業務を分解するとは?

では、ツールを導入する前には何をすべきなのでしょうか?
それが、私のサービスの根幹でもある「システム思考」を用いた、自社の業務を分解して見つめ直すステップです。

難しく聞こえるかもしれませんが、やることは至ってシンプル。
ひとつひとつの業務を、以下の3つのパーツに分解して考えるだけです。

業務フローの分解・3ステップ

  1. インプット(入力): その業務を始めるために必要な「材料」は何か?
    (例:お客様からの注文メール、手書きの伝票)
  2. プロセス(処理): その材料を、どのような手順で「加工」しているか?
    (例:メールの内容をExcelに転記し、上長が承認印を押し、経理担当がシステムに入力する)
  3. アウトプット(出力): 業務の結果、何が「完成品」として出てくるか?
    (例:完成した請求書PDF)

どんなに複雑に見える業務も、必ずこの3つの要素で成り立っています。
この視点を持つだけで、これまで「なんとなく」やっていた業務の全体像が、驚くほどクリアに見えてくるはずです。

【実践】アナログ業務を可視化する「業務の棚卸し」4ステップ

「システム思考」が分かったところで、いよいよ実践です。
あなたの会社のアナログ業務を「可視化」するための、具体的な4つのステップをご紹介します。

STEP1:業務の洗い出し

まずは、社内に存在する業務を、先入観を持たずに全て書き出します。
「誰が」「何を」「どんな頻度で」やっているのかを、付箋やホワイトボードに書き出していくのがおすすめです。

「請求書発行」「日報作成」「電話対応」「備品発注」

ここでは完璧を目指す必要はありません。
「こんな細かいことまで」と思うような作業も、遠慮なくリストアップしてください。
あなたの会社にはベテランのAさんにしかできない業務、ありませんか?
そういった「属人化」している業務こそ、可視化すべき最優先事項です。

STEP2:プロセスの図式化

次に、洗い出した業務の中からひとつを選び、そのプロセスを図にしてみましょう。
簡単なフローチャートで構いません。

例:請求書発行業務
[お客様から受注メール受信] → [営業担当が内容確認] → [事務担当がExcelに転写] → [上長が印刷して押印] → [経理担当が郵送]

このように矢印で繋いでいくだけで、業務の「流れ」と「関わる人」が一目瞭然になります。

STEP3:ムダの発見

業務の流れが見えてきたら、次はその中に潜む「ムダ」を探します。

  • 重複: 同じようなデータを、複数の部署で入力していないか?
  • ボトルネック: 特定の人の承認待ちで、いつも業務が滞っていないか?
  • 不要なプロセス: そもそも、その押印や転記作業は本当に必要なのか?

SE時代、私はこのプロセスを通じて「お客様が『必要だ』と思い込んでいるだけの、全く無意味な作業」を数多く見てきました。
第三者の視点で、あるいは「もし自分が新人だったら」という視点で業務フローを眺めてみると、驚くほどのムダが見つかるはずです。

STEP4:「やめること」を決める

そして、これが最も重要です。
見つかったムダな業務を「やめる」と決断すること。

業務改善というと新しいツールを「足す」ことばかり考えがちですが、本当に効果的なのは不要な作業を「引く」ことです。
可視化によって明らかになったムダなプロセスをひとつやめるだけで、劇的に効率が上がるケースは決して珍しくありません。

業務の標準化が「脱・属人化」への唯一の道

業務を可視化してムダを削ぎ落としたら、最後にその進化したプロセスを「マニュアル」という形に落とし込みます。

「マニュアルなんて、面倒だ」
そう思う方もいるかもしれません。
ですが、これこそが特定の誰かに依存する「属人化」から脱却し、誰がやっても同じ品質を保てる「仕組み」を会社に作る、唯一の方法なのです。

弊社の提供する事務代行サービスがお客様に必ず業務マニュアルの作成をお願いしているのも、これが理由です。
優れたマニュアルさえあれば、担当者が変わっても事業が止まることはありません。

まとめ:ツールを探す前に、あなたの会社の「設計図」を描こう

業務プロセスとは、会社の未来を形作る「設計図」そのものです。

設計図がなければ立派な家が建たないように、業務プロセスという設計図なしにDXツールという最新の建材だけを集めても「事業」という家は建ちません。
多くの経営者様はこの設計図が曖昧なまま家を建てようとしてしまい、結果として「いびつ」で「住みにくい」家を建ててしまっているのです。

DXの本当の第一歩は、高価なツールを探すことではありません。
まず立ち止まって、自社の業務プロセスという設計図をじっくりと見つめ直し、描き直すこと。

今回ご紹介した「業務の棚卸し」は、そのための最も確実な方法となります。

「自分たちだけでは、どこから手をつけていいか分からない」
もしあなたがそう感じたなら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
これまで多くの中小企業様の「設計図」作りをお手伝いしてきた経験から、あなたの会社の課題を整理するお手伝いができます。

そして、あなたが描き上げた完璧な設計図を寸分違わず実行するパートナーが必要になったなら。
その時こそが、私たちの事務代行サービスがお役に立てる瞬間です。
私たちは、あなたが描いた設計図通りに、忠実に家を建てるプロの建築家のような存在とお考えください。

面倒な「雑務」という名のガラクタ拾いから解放され、あなたが本来やるべき「未来を創る仕事」に集中できる環境を、一緒に手に入れましょう。

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