社員の品質が3倍安定する「マクドナルド式マニュアル」の作り方とは?

「何度、言ったら分かるんだろう」

かつて私自身が、毎日そう嘆いていた経営者のひとりでした。
元システムエンジニアとして、自分の「職人芸」に頼り切った結果、事業拡大の壁にぶつかった私が、マクドナルドの仕組みから学んだことのすべてを、今日はお話ししたいと思います。

熱心に指導したはずなのに、人によって成果物のクオリティがバラバラ。
特定の誰かがいないと、途端に業務がストップしてしまう。
そんな状況に、日々頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

その尽きないイライラや不安の原因、もしかしたらスタッフ個人の能力や意識の問題ではなく、あなたの会社に「仕組み」が不在なだけなのかもしれません。

今日は、その「仕組みづくり」における最高の教科書とも言える、ある世界的企業のお話をしたいと思います。
そう、「マクドナルド」です。

アルバイトの高校生でも、長年働くベテランでも、世界のどこにいても、誰が作っても「いつものあの味」を提供できる。
この驚異的なオペレーションの裏側には、あなたの会社の悩みを根本から解決する、普遍的なヒントが隠されているのです。

あなたの会社は「職人芸」に頼っていませんか?属人化が引き起こす静かな危機

実は、これは過去の私自身に向けた言葉でもあります。

私の事務代行サービスは、もともと私自身がプレイヤーとして実務をこなすことから始まりました。
システムエンジニアとしての経験から、お客様の意図を先回りして業務を整理し、提案することが私の得意技。
ありがたいことに、その働きぶりは高く評価され、事業は順調に拡大していきました。

ですが、落とし穴はすぐそこにありました。

事業が大きくなるにつれ、私ひとりでは手が回らなくなり、業務委託のスタッフに業務を任せるようになったのです。
当然、彼女たちにも私と同じレベルの品質を期待しました。

しかし、現実は厳しいものでした。
私が当たり前にやっていた「先回り」や「提案」を、誰も再現することができなかったのです。

結果として、サービス品質は不安定になり、お客様からお叱りを受けることもありました。
「なぜ、私と同じようにできないの?」と、当時は本気で悩みました。

そして、ある時、気付いたのです。
「私と同じようにできなくて当たり前だ。私のやり方は、誰にも真似できない『職人芸』だったのだ」と。

山田さんだから、お願いしてるのに
お客様から言われたこの一言が、私の胸に深く突き刺さりました。
良かれと思って育てたスタッフの対応が、結果としてお客様を失望させてしまったのです。

その夜は、自分の無力さに、悔しくて眠れませんでした。
私のやり方をただ真似させるだけではダメなんだ、と骨身にしみて分かった瞬間でした。

あなたの会社にも、いませんか?

「この仕事は、〇〇さんしか分からない」
「△△さんが休むと、途端に業務が回らなくなる」

そんな「スーパーマン」あるいは「職人」の存在は、一見すると会社にとっての資産のように思えます。
しかし、その裏側では、業務のブラックボックス化、技術継承の失敗、そしてその人が突然いなくなってしまった時の事業停止リスクという、静かな時限爆弾が時を刻んでいるのです。

マクドナルドは「天才」を育てない。それでも世界一の品質を保てる理由

ここで、マクドナルドの話に戻しましょう。

彼らがなぜ、世界中どこでも、誰がやっても同じ品質を提供できるのか?
その答えは、「人に依存しない、完璧なシステム」にあります。

マクドナルドの厨房には、分厚いマニュアルが置かれています。
そこには、ハンバーガーの作り方はもちろん、ポテトを揚げる秒数、ピクルスを置く位置、バンズの焼き加減、スマイルの角度(!)に至るまで、すべての業務が写真付きで詳細に定義されています。

つまり、働く人は「どうすれば美味しくなるか?」を考える必要がないのです。

ただ素直に、マニュアルに書かれている手順を、寸分違わず実行する。
それだけで自動的に「マクドナルドの品質」が保証される仕組みになっています。

彼らは、ハンバーガー作りの「天才」を育てようとはしません。
そうではなく、ごく普通の人が、天才と同じレベルの結果を出せる「仕組み」を発明したのです。
これこそが、彼らの本当の強さの源泉であり、私たちが学ぶべき最大のポイントです。

私が事務代行サービスの理想として「マクドナルドのマニュアルレベルのマニュアルが私たち側に渡される状態」 を掲げているのも、まさにこの思想に基づいています。

今日からできる!あなたの会社を「マクドナルド化」する3つのステップ

「うちみたいな小さな会社に、マクドナルドなんて真似できないよ」

そう思われたかもしれません。
ですが、心配は無用です。
その本質的なエッセンスは、どんな規模の会社でも、今日から取り入れることが可能です。

STEP1:業務の棚卸しと可視化

まずは、あなたの会社のバックオフィスで行われている業務を、ひとつ残らず書き出してみてください。
「請求書を発行する」「データを入力する」「問い合わせに返信する」など、どんな些細なことでも構いません。
全体像が見えなければ、改善のしようがないからです。

STEP2:「なぜ?」を5回繰り返す

書き出した各業務に対して、「なぜ、この作業は必要なのか?」と自問自答を繰り返してみてください。
こちらはトヨタ生産方式で有名な手法ですが、これにより、慣習で続けているだけの無駄な作業や、もっと効率化できる部分が見えてきます。

驚くほど多くの作業が、実は「やらなくてもいいこと」だったと気づくはずです。

STEP3:小学生でも分かるマニュアルを作る

最後に、残った「本当に必要な業務」について、マニュアルを作成します。
ここでのポイントは、「初めてその業務に触れる小学生が、ひとりで完遂できるレベル」を目指すことです。

分かりやすいマニュアルづくりの極意

  • 社内用語や専門用語は使わない
  • 文章だけでなく、スクリーンショットの画像や図を多用する
  • ひとつの作業がひとつの行動で終わるように、細かく手順を分解する

このマニュアルさえあれば、誰が担当になっても、あなたは品質について悩む必要がなくなります。

「仕組み化」は、人の心をなくすことじゃない

マニュアル化や仕組み化というと、「融通が利かなくなる」「個性が活かせない」「人間をロボットのように扱うのか」といった批判を耳にすることがあります。

しかし、それは大きな誤解です。

私たちが目指す仕組み化は、スタッフから思考を奪うことではありません。
むしろ逆です。

請求書の作り方やデータ入力の順番といった「考えなくてもいいこと」を仕組みに任せることで、スタッフが本来使うべき「考えるべきこと」、つまり、

  • どうすれば、お客様にもっと喜んでもらえるだろうか?
  • この業務プロセスは、もっと効率化できないだろうか?
  • 会社を良くするために、新しい企画を提案してみよう

といった、より付加価値の高い仕事に、安心して頭と時間を使えるようにしてあげることなのです。

盤石な仕組みという土台があるからこそ、人はその上で創造性を発揮し、自由にパフォーマンスできる。
私はそう信じています。

仕組みづくりのゴールは「完璧なマニュアル」と「忠実な実行者」です

もし今、あなたがスタッフの仕事の質に悩んでいるとしたら、それは彼ら、彼女たちのせいではありません。
誰がやっても同じ結果を出せる「仕組み」を用意できていない、経営者であるあなたの責任なのかもしれません。

その第一歩は、あなたの頭の中にある「当たり前」を、誰もが分かる「マニュアル」という形に言語化し、可視化することから始まります。

「でも、日々の業務に追われて、そんなマニュアルを作っている時間なんてない!」

その気持ち、痛いほどよく分かります。

雑務から解放され、本来やるべき事業拡大のための活動に時間を使いたい。
そう強く願っている経営者のために、私たちの事務代行サービスは存在します。

お客様には、手放したい業務のマニュアルをご用意いただくだけ。
私たちが、あなたの会社の「マクドナルド・マニュアル」を寸分違わず実行する、忠実なパートナーになります。

あなたが本来やるべきことに集中できる環境を手に入れるために、まずは一度、お話をお聞かせいただけませんか?

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